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惹きあう魂

久々にガラかめパロ書きました。
申し訳ないのですが、原作で二十年越しの願いがついに叶い、二人の思いが通じ合ったので、私の中ではもうハッピーエンドになってます。
欲求不満が満たされてしまったせいか、ここのところ新作がずっと思い浮かばず。

以前からやってみたいと思っていた詩の創作を、最近になってはじめたのですが、色々考えているうちにポッと突然思いついたので書いてみました。

続き無しの超短編小説付ポエムです。




惹きあう魂


朝焼けに染まるあの甲板で あなたに抱きしめられた
 
逞しい腕 耳に馴染んだ低い声
 
あなたと見詰め合うことができた幸せな瞬間
 
再会を信じて待つ日々は どうしてこんなにも辛いのだろう

会いたくて 会えなくて 寂しさが襲う

それでも耐えられるのは あの日見たあなたの優しい眼差しを思い出せるから








ベッドで眠る真澄を見下ろして、マヤは柔らかそうな彼の髪に触れた。
瞼が動いて真澄が目覚める。
マヤはとっさに顔をそむけた。
「おはよう、マヤ」
柔らかな声に、マヤは何も応えられなかった。


紅天女の試演前にナイトクルーズで会ってから、二年の歳月が流れていた。
その間にゆっくり会う時間はなかった。
真澄は常に仕事に追われ、合間に電話やメールでやり取りをするのが精一杯だった。
マヤと過ごす時間が取れるようになるまで時間がかかった。
昨夜、二人は結ばれた。
初めて経験するマヤをいたわり、焦ることなく時間をかけて愛した。
嫌な思いはさせていないと、真澄は胸を張って言える。
顔を合わそうとしないマヤの様子を、探るようにじっくりと眺めた。
薄暗い部屋に、閉ざしたカーテンの隙間から朝日が零れていた。
その中で、マヤが胸にシーツを当てて前だけを隠し、素肌を曝している。
滑らかな肌に、女性らしい曲線を描いた身体は美しく、それでいて細くて頼りない。
真澄は身体を起こすと、マヤの背を包み込むように抱きしめた。
耳元で思いを込めて囁く。
「マヤ、愛してる」


マヤは不安だった。
真澄と会えない間、マヤは彼の言葉を信じて待ち続け、これまで以上に芝居に打ち込んできた。
それが真澄の為に自分にできる唯一のことなのだと信じていた。
どれだけ会いたくても決して自分から真澄に会いに行くようなことはしなかった。
会える日をただ夢見て待ち続けてきた。
だから、この日の約束ができたとき、マヤは嬉しくて仕方がなくて舞い上がった。
その裏側で、巧妙に真実が隠されていたことなど気づきもしなかった。
事実を知ったのは、真澄と会う約束の日の朝だった。
彼の口からではなく、新聞の紙面で、全てを知ったのだ。


マヤはもう堪えきれずにシーツに顔を埋めた。
「ごめんなさい。ごめんなさい速水さん」
「……マヤ、君は何を謝っているんだ」
とめどなく溢れる涙を流しながら、マヤは振り返った。
「私、速水さんと一緒にいたくて……」
明るいブラウンの瞳にマヤだけを映して、真澄が微笑む。
「俺もだ。やっと君に会えてうれしいよ」
「でもあなたはそのために、全てを失ってしまった」
『大都芸能会長速水英介とその息子速水真澄絶縁』
何気に見た今朝の朝刊にそう書かれていた。
マヤは驚いて、食い入るように読み進めた。
鷹宮グループ総帥の孫娘鷹宮紫織との結婚がこの二年の間、公には延期とされていたが、その実一年前に正式に婚約が破棄されていたのだ。
それが原因となり、大都芸能の経営は一時倒産にまで追いやられていた。
真澄は全ての責任を取って社長を辞任。
更に、速水英介から親子の縁を切られた。
マヤは直ぐに真澄に電話をかけたが、連絡を取ることができなかった。
その代わりに、約束の時間よりも早くに、聖がマヤのマンションに迎えに来た。
何も教えてもらえないまま車に乗せられ、伊豆の別荘まで連れてこられた。


青い空と海、白い砂浜に降り立ったとき、そこでマヤを待っていた真澄が彼女を見つけて駆け出してきた。
「速水さん……」
自分を選ぶ為に真澄が全てを捨てたのかと思うと、マヤは会えた喜びよりも罪悪感で胸が押しつぶされそうになった。
対照的に、真澄は嬉しそうに笑ってマヤを抱きしめた。
久しぶりに見た彼は顔色もよく健康そうだったが、以前よりもずっと痩せている。
そこに、決してマヤには見せることのなかった彼の苦悩の日々が見えるような気がした。
「やっと会えた」
安心するように、真澄が吐息をついてマヤを抱きしめる腕に力を込めた。
マヤは何も聞けなくなってしまった。
真澄から事実を告げられたのは、ベッドで深く愛し合った後のことだった。
初めて知った肌と肌が触れ合う悦びと幸福感は直ぐに消えてマヤは青ざめた。
何も言えずにショックを受けていると、先に真澄が寝入ってしまった。
マヤは一睡もできずに、真澄の穏やかで幸せそうに微笑む寝顔を見つめ続けた。


真澄はマヤを熱を帯びた眼差しで見つめてはっきりと告げる。
「正直に生きる為、自分の幸せの為だ。君が謝ることじゃない」
「でも私、演劇の世界しか知らなくて、なんの取り柄もないし、家柄も、お金持ちでもない。あげられるのは『紅天女』の上演権だけ」
「何度言ったら分かるんだ。上演権は君のものだ。月影先生の為にも君が守っていかなければならない」
「それでも……速水さんの為なら……」
真澄はマヤの唇に、指先を当ててそれ以上の言葉を遮る。
「本当にもういいんだ」
マヤを見つめてフッと真澄は顔を緩めた。
「君は馬鹿だな。いつまでたっても自分の魅力に気がつこうとしないんだな。……言っておくが俺は何も失ってなどいない。本当に必要としているのは君だけだ。他には何もいらない。だから捨てた。名前も過去も……」
「速水さん……」
「俺が、君だけのものになりたいんだ」
二人は見つめあうと、引き合うように近づき互いの唇を重ねた。


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